谷崎潤一郎研究のつぶやきWeb

その5(2016年9月9日)『夢の浮橋』と水石

先月、天皇陛下からお気持ちの表明がありましたが、その際に、背後に映っている大皿と水石が話題になりました。

大皿については、縄文象嵌と柿釉ということで、人間国宝・島岡達三の作と特定されましたが、水石については特定に時間がかかりました。瀬田川産の虎石かもという説が1つ出ています。

水石については、『夢の浮橋』絡みで「夢の浮橋」という石に、かねてから注目していましたが、その石の後継のものがあるとしたら(当然あると思われます。何しろ「夢の浮橋」は徳川美術館にあるのですから)、まさに今回映ったものだろうなぁと思いました。

小説『夢の浮橋』については、谷崎ら(新村出、川田順、吉井勇)が、昭和22年に昭和天皇と会見しており、その頃から構想されていたと考えます。メンバーの関係については、「谷崎作品関連人物関係図」をご覧ください。谷崎潤一郎研究会での発表時に作ったものですが、いつの間にかこのサイトに登録されていて、見やすいので今回はこちらをご紹介します。

2017-07-28 谷崎作品関連人物関係図に増補改訂版ができましたのでご覧ください。

お気持ちの内容を考えながら石と大皿の画像を見ていると、『夢の浮橋』の冒頭の短歌が「渡りかねたる」から「渡り終えたる」になる過程や心情が見えてくるように思います。

縄文象嵌の大皿というのも意味深ですよね。天皇陛下と益子町の知られざるエピソードや、谷崎周辺や大正天皇の教育メンバー(原武史著『大正天皇』に詳しい)等、それから谷崎の各作品等を見ていくと、心に浮かぶものがいろいろあります。

そうそう、今回、陛下のお言葉にの儀式が出てきましたが、谷崎が昭和24年(1949年)11月から翌年3月まで『毎日新聞』に連載し、昭和25年(1950年)毎日新聞社より単行本として出版された『少将滋幹の母』で大納言国経に不浄観を行じさせたのも、あるいは昭和天皇との会見時の内容からの連想によるものだったのかもしれませんね。

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作ってしまいました(^^)