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<ライセンス>http://creativecommons.org/licenses/by-nc-sa/2.1/jp/</ライセンス>
<タイトル>私の好きな、源氏の女君たち</タイトル>
<章 name="はじめに">
<本文>源氏物語を初めて自分の意思で読んだとき、なんて面白い物語だろうと思うと同時に、紫式部の深い知識と、その物語への使い方に驚かされました。</本文>
<本文>玉鬘が髭黒と結婚することになったときの髭黒の北の方の行動をみると、物の怪の正体が何であるかを知っていたと思われるし、宇治十条などでは記憶喪失まで出てきます。それでいながら、源氏の栄華と悲劇を支配しているのは、六条御息所の生霊であり、死霊なんですよね。たとえ死後であっても、御息所の信頼に応えればそれが出世へとつながるし、裏切りと取れるような言動を取ればバチがあたるというように、この物の怪は非常にわかりやすい形で源氏に報いています。</本文>
<本文>「雨夜の品定め」や、源典侍のシーンを読んだ時は、紫式部は男性なのではないかと思いました。そのあたりは、紫式部日記に書かれている同僚女性とのかかわりを読むと、んー、なるほどね、と思うところもあります。</本文>
<本文>源氏物語や紫式部についてはいろいろ書きたいことがありますが、今回は、ＸＭＬ組版の見本ということで、私の好きな登場人物をピックアップしてみました。</本文>
<本文>なお、「女君たち」の章中、紫の上、夕顔、六条御息所、落葉の宮、朧月夜尚侍と玉鬘の各節の文章は、ラブレターズ<url>http://www.mediakiryu.biz/miyoko/</url>から抜き出し加筆修正したものです。</本文>
</章>
<章 name="女君たち">
<節 name="紫の上">
<本文>この人については、やはり一番注目されるキャラクターなので、本などでもいろいろ書かれているが、源氏の妻として人々の憧れと注目を集めながら、晩年にはそれが結局何だったのかと、無常観と共に命を削っていくこのキャラクターは、男女のすれ違いについても興味深いことを教えてくれる。</本文>
<本文>たとえば、子供だからわからないだろうと、源氏は紫のゆかりなどと手習いの紙に書いたが、それを後の紫の上が「あぁ、そうだったのか」と気づかないと思ったのだろうか。女性は愛する男性の一挙手一投足をそのつど覚えていて、あとでつなげる。だから、男性が「なぜ気づかれるのだ」と驚くようなことを見抜く。長年の間に「私は身代わり」という意識が根付いていったことは十分に想像がつく。でも、紫の上は六条院の女主人として内からも外からも一目置かれて、その自負によって、その疑念をとりあえず忘れていることができたのだと思う。</本文>
<本文>そんな折、源氏は、朱雀院からのたっての願いによりということはあるが、やはり「紫のゆかり」の女三宮を正室として迎える。</本文>
<本文>これは紫の上にとっては大変な衝撃だったろう。そのことは、それまで気にしないことにしていたであろう、正室ではないという事実を決定的に突きつける。だから、当時の女性側からの離婚ともいえる「出家」を強く望んだのだろう。</本文>
<本文>それに対して源氏の方は、事態がかなり深刻になっても気づかず、「あなたほど幸せな人はいない」などといって、紫の上の気持ちを逆撫でする。結局、最後の最後になって、もしかしたら紫の上の死後、ようやく「紫のゆかり」だからではなく、紫の上自身を愛していたことに気づく。</本文>
<本文>時すでに遅しである。</本文>
<本文>こういうパターンは、今の世でも結構あることなのではないだろうか。 </本文>
</節>
<節 name="夕　　顔">
<本文>夕顔は、雨夜の品定めで頭中将の話に出てきた女性である。後に源氏と出会い、連日愛されたために六条御息所の生霊に取り殺されてしまった。</本文>
<本文>源氏との出会いのきっかけは、源氏が家のそばを通りかかったとき、歌を読みかけたことである。言ってみればこちらからアタックしたも同然だが、これは、夕顔という女性の性質から考えると、少し不思議である。</本文>
<本文>もしかしたら撫子（玉鬘）の父親である頭中将に、少しでもつながりのある人物が通りかかったので、周りに仕えている人たちがチャンスとばかりに読みかけたのかもしれない。何しろ、後に筑紫からこの撫子のために危険を冒してまで船出した人たちなのだ。</本文>
<本文>ところが、夕顔と源氏はお互いに素性を明かさず、仮面をつけたまま二条の館で愛の日々を過ごした。お互いに頭中将のことを考えたためかもしれないが、果たしてそれだけだろうか。</本文>
<本文>夕顔は、何でも男性の希望どおりに振る舞い、強い女性からの嫌がらせに対しては、全く対応できず、ただひたすらおびえて、ついに生霊に取り殺されてしまった。この人の考え方とか、主体性というものはなかなか掴みにくい。</本文>
<本文>でも、もしかしたら、とても「芝居気」のある女性なのかもしれないとも思う。いい意味で。源氏が顔を見せたときの受け答えなどもしゃれている。</本文>
<本文>ただ、取り殺されてしまったのでは何にもならないけど。</本文>
</節>
<節 name="六条御息所">
<本文>源氏物語の裏の主役といってもいい、六条御息所。</本文>
<本文>この女性は、前の東宮の最愛の人だった。順調にいけば、将来は中宮にもなるべき人だったのに、 死別してしまった。</本文>
<本文>東宮の死後、その気品と教養の高さで随分と若い公達の目を引いた。その数ある誘いの中から、ついに源氏になびいたのだ。</本文>
<本文>が……。</本文>
<本文台詞>「私はそんな軽んじられるべき人間ではない。」</本文台詞>
<本文台詞>「人に後ろ指さされないように毅然としていなければ。」</本文台詞>
<本文台詞>「いくら相手が薄情に見えようとも、決して取り乱すもんか。」</本文台詞>
<本文台詞続き>等、さまざまな感情が渦巻いたことだろう。</本文台詞続き>
<本文>そのさなかに、源氏の正妻側から葵祭で屈辱的な思いをさせられた。きちんとしていたいと思いつつ、魂が逆の行動をする。</本文>
<本文>「ふん、あんたなんか、こっちから願い下げよ」</本文>
<本文台詞続き>とは思えなかったところが哀れである。 </本文台詞続き>
</節>
<節 name="落葉の宮">
<本文>最初に柏木の妻になり、柏木亡き後、夕霧の（妻）になった人である。源氏物語に不幸な女性は数あれど、この人ほど気の毒な人も少ないのではないだろうか。</本文>
<本文>初めは柏木が、源氏の正妻になった女三宮の身代わりに姉妹である彼女を妻にした。しかも恋のために盲目になっている柏木は、ひたすら女三宮を恋するあまり、彼女のことを</本文>
<本文台詞>「なんでこんな落ち葉のような人をもらってしまったのか」</本文台詞>
<本文台詞続き>などと言って嘆いている。さらには女三宮の飼っていた猫を貰い受けて愛玩しているのだ。</本文台詞続き>
<本文>そんな夫を持ったら、その寂しさは例えようがないだろう。</本文>
<本文>柏木の死後は、さらに気の毒だった。柏木の親友である夕霧に恋慕されて、また彼が無粋なために、ひょんな誤解から窮地に立たされてしまったのだ。</本文>
<本文>実際、当初は拒否して何もなかったのに、朝帰りする夕霧を見とがめられ、それを悲観した母親に死なれて頼る人も無く、宮本人がいくら拒否していても、そばについている女房たちは皆夕霧の世話になればいいと思っている始末。さらに、実際には拒否し続けているにもかかわらず、世間には事実上の夫婦とみなされ、そのために柏木の父母に疎まれ、その上、夕霧の妻は柏木の妹という、まさに四面楚歌。</本文>
<本文>結局はなるようになった訳だけれど、このエピソードが書かれた「夕霧」という巻を読んでいるとき、まるで自分のことのように夕霧に対して腹が立つのだ。</本文>
</節>
<節 name="朧月夜尚侍と玉鬘">
<本文>私は、源氏物語の女性登場人物でこの二人にとても興味がある。奇しくも二人とも「尚侍」という、女性として最高の官職についた人である。</本文>
<本文>玉鬘は頭中将と夕顔の娘であり、成長して源氏に引き取られ、成人式で初めて実の父に対面し、腰結いの役をしてもらう。結婚については、帝にあこがれていたが、心ならずも一番気の進まない、髭黒と結婚するはめになるが、まじめな夫に愛され、帝との関係抜きで女性として最高の官職に付き、夫もどんどん昇進し、押しも押されもせぬ北の方として幸せな人生を送る。そこに至るまでにはいろいろなことがあったが、登場人物の中で最も幸せな女性だったのではないかと思う。</本文>
<本文>この幸せは、源氏に言い寄られた時のやり過ごし方等、彼女の頭の良さ、人の扱いのうまさによるものと思われるが、これがまた、なかなかできることではない。尊敬する。周囲の人々の働きもさることながら、降りかかる試練に対して自分で幸せへの道を切り開いていった人である。</本文>
<本文>一方、朧月夜の尚侍はどうか。この人は右大臣の六の君で、本当は朱雀帝に嫁ぐはずだったのだが、源氏との恋のため、尚侍として出仕し、それでも帝の寵愛を一身に受けることになる。</本文>
<本文>その時点で彼女の物語は終わりかと思えばそうではない。その後朱雀院が出家してからも源氏との恋人関係は続く。そのような中、源氏からはだんだん軽くみられるようにもなっていったが、最後は自分の源氏にとっての位置を思い、きっぱりと源氏を振り切ることになる。</本文>
<本文>私はこの朧月夜尚侍に一番魅力を覚える。色気があって、情熱的で…。最後には、当時の女性が自分の誇りを守る唯一の方法を行使するところまで含めて。</本文>
<本文>皆様は、どのような登場人物に興味をひかれるのだろうか。</本文>
</節>
</章>
<章 name="おわりに">
<本文>インデザインでのＸＭＬ組版の見本にということで、私の趣味のサイトの中の一コーナーである、ラブレターズ<url>http://www.mediakiryu.biz/miyoko/</url>から、源氏物語を題材に取り上げてみました。</本文>
<本文>当初は、ラブレターズでよく取り上げている谷崎潤一郎を題材にしようと思いましたが、なにぶんにもマニアック過ぎてサンプルには不向きと考え、源氏にしたのですが、いかがでしたでしょうか。</本文>
<本文>このサンプルが、ＸＭＬ組版に対する敷居を少しでも低くすることができれば嬉しいと思っております。</本文>
</章>
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