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『卍』と『捨てられる迄』、そして『細雪』(その8) (2008-12-30)
10月末から続いたこの連載も、今回が最後になる。ここで、『卍』と『捨てられる迄』がどのように似ているか、それから『卍』が後の『細雪』にどのように発展していくかについて書いていきたい。
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『卍』と『捨てられる迄』、そして『細雪』(その7) (2008-12-29)
その6を書いたときまだ途中だった、『黒白』を読み終わった。この作品は、主人公である作家が「人を殺すまで」という作品を書いている途中で、モデルに使った人物の実名を誤って書いてしまったことで、そのモデルが実際に被害に遭う可能性に気づいたところから話が転がっていく。その場合、確実に主人公である作家が疑われるということで、それを回避するために、続編である「「人を殺すまで」を書いた男が殺されるまで」を書こうとするのだが…というお話だ。結局、続編は間に合わず、予想通りに事件が起き、予想通り主人公が取り調べられ、そこで彼がわざわざ饅頭怖いよろしく自分は痛さに極度に弱いから、拷問などされたらあることないことしゃべってしまうかもしれないなどと言うことによって、自らその方向に飛び込んでいってしまうというところでこの小説は中断している。中断だが、もうこの時点で真犯人が誰か、他の人間ではありえないくらいわかるし、ちょうど主人公のマゾヒストらしいところが出たところで、その続きを書く意味がなくなってしまったのかもしれない。
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『卍』と『捨てられる迄』、そして『細雪』(その6) (2008-12-08)
前回の記事を書いていて、「ああ、これまで谷崎は善か悪か、白か黒かばかり書いてきたけど、これでグレー(さらに深化して陰翳)を知ることになったのだなぁ」などと思っていたところ、そういえばこの頃、『黒白』という小説を書き、中断したままになってしまったことを思い出した。そこで、図書館でこの『黒白』の入っている谷崎潤一郎全集の第11巻、網野菊のことも知りたかったので、自筆年表と『震災の年』というエッセイの入っている『網野菊全集第三巻』、それから『卍』の連載回数をはっきり知りたかったため、改造目次総覧の収録されている「雑誌『改造』の四十年」を借りた。
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『卍』と『捨てられる迄』、そして『細雪』(その5) (2008-11-20)
『卍』は、雑誌「改造」に昭和3年3月から断続的に連載され、5年4月で終わった。その間、確認している範囲で4年6月と4年11月に休載されているので、計24回ということになる。
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『卍』と『捨てられる迄』、そして『細雪』(その4) (2008-11-17)
その2には、まだ誤りがあった。最も肝心な手紙の日付である(T_T)。江田治江さんが手紙を受け取ったのが昭和4年1月25日、同日付と書いた佐藤春夫宛の手紙は、2月25日付だった(その2の該当個所は修正済)。